この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
木之花ノ夜想曲~夢語り~
第32章 "宋"
そういうと、水晶は総司の手から消えて無くなってしまう。
「???」
「けして無くなったのでは無い、お前が思い出し願うならば水晶は自然と現れる」
「良いのですか私で??」
「だから礼だ、それにお前ならば悪用する事は無い…
だから託す」
「……
分かりました、ありがとう御座います」
どうやら、玄武様の治療も終わったようだ。
「数日は安静にな」
「はい、ありがとう御座います玄武様」
玄武様は立ち上がり、今度は当代様の様子を見ていよう。
「まぁー
此で一件落着ちゃうかー」
「そうだな、ではな人間」
軽く言い捨てて、四神様達は消えて居なくなってしまった・・・
「瑠衣、歩けますか?」
「何とか…
それに副長達の結界を解かなくては……」
「…あっ・・・」
総司から離れて立ち上がり、ゆっくり歩き出す瑠衣、勿論結界を解く為。
結界に近づき、石を一つ軽く蹴り飛ばす。
"パンッ…"
「はぁー
やっと出れたねん」
「俺は今回もこの中かよ」
「・・・・・・・・」
籠の中?だった三人はやっと解放されて、ホッとしてるみたいだ。
"・・・ふらっ"
「ほら、絶対安静と言われたでしょう!」
ふらつく瑠衣を庇ったのは勿論総司で、そのまま横抱きにされてしまう。
「とりあえず‥直ぐに後始末するものはないようです…
屯所に戻りますか??」
斎藤は土方に聞いている。
「あぁ…
正式な後始末ならば明日で十分だ…
今日は帰るぞ」
そう言って歩き出す土方に、後は皆それに続き後ろを歩く。
瑠衣といえば、恒例総司に抱かれたまま眠ってしまう。
何時もの光景がやっと戻って来たよう……
…………池田屋事件まであと少し……………
・