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いじっぱりなシークレットムーン
第4章 Secret Crush Moon
 

 ***


 課長が住んでいたのは――。

「すっげ……」

 臨海公園が一望できるだろうロケーションに聳(そび)える、ホテルのような高級マンションだった。

 運転手さんに確かめて貰っても、怒れる専務から聞いた住所とマンション名は、ここしかないということ。

 都心に住んでいなくても、こんなマンションに住まう課長は、たとえ24歳であろうとも、やはりハイスペックイケメンには変わりなく、ここまでのレベルになればイメージを外すことがないことを、あたしは深く深く思い知った。


 課長の部屋が802とまでわかっているのに、そこに行き着くまでにガードマン、コンシェルジュに訪問先を告げ、さらにはコンシェルジュが訪問先に電話して許可が出た上でセキュリティーカードなるものをくれねば、さらに奥にある居住部の入り口も開けることが出来ないし、エレベーターも動かすことが出来ないという、セキュリティーが厳重すぎるマンションだった。

 訪問先の住人が目の前にいるというのに、許可がないと開けられないとかぬかすマニュアル通りのコンシェルジュに腹を立て、途中ドラッグストアで調達していた解熱グッズの中から体温計を取りだして、問答無用で課長の口に突っ込み、タクシーで既に解熱剤を飲んでいても、まだ39度2分ある画面を見せつけた上で、

「香月さんが死んだら訴えてやる!」

 を叫んでようやく許可。

 何でも香月さん目当ての女が押しかけることがあるため、許可がなければ通すなと香月課長本人がお願いしていたらしいが、いつも見ているだろうその本人がここでぐったりしているのを悟って、機転をきかせて貰いたい。

 課長のズボンの右ポケットから見つけた鍵で「Kohzuki」と表札がかかったドアを開けた。

 ようやく長旅が終わった気分。どどっと疲れが出てきた。

 セキュリティー完備もいいけれど、病人や怪我人には辛すぎるこのマンション。課長どうやって帰ろうとしてたんだろう。

「課長、今おうちですからね。もう少しで眠れますよ」


 電気をつけた。


 ……真っ白。それが感想だ。

 もっと詳しく言えば、家財が極端に少ないのだ。

 
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