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いじっぱりなシークレットムーン
第1章 Cheery Moon
繁華街にある、ビジネスホテルの一室――。
窓から差し込む満月の朧な月光が、陶器のように白く滑らかな肌を持つ彼の体を、冴え冴えしく照らしていた。
加速する腰の律動。
皺を深く刻む、淫らに濡れたシーツ。
「ぁあああ……っ、ああっ、んっ、はぁぁっ」
断続的に続く、あたしの枯れ果てた啼き声に、卑猥な水音が混ざる。
上に被さる、陶器のような滑らかな肌をした腰にしがみつき、さらなる快感を貪欲に求めるあたしは、与えられる刺激を無我夢中で追い続けていた。
もっと、もっと。ちらちら見える月の光がわからなくなるくらいに、もっと激しく、もっと狂わせて――。
「ん……っ、キツ……。そんなに締めつけないで」
顔に落とされる彼の艶息を感じると、それだけであたしの体は興奮に身震いする。整ったその顔が切なげに歪むと、それを見ているだけでぞくぞくする。
月色に染まったのは、陶磁人形(ビスクドール)のような……、目鼻だちが精巧に整った、中性的な雰囲気の若い男――。
あどけなさと円熟した艶を織り交ぜた、曖昧な境界を持つ彼。
微かに揺れる汗ばんだ茶髪は、月光を浴びて黄金色を滲ませている。
濡れた髪に少し隠れながら、じっとあたしを見つめるその瞳は、蜜に濡れた琥珀のよう。隠しきれない獰猛な欲を、とろみある透明な膜で覆い隠し、いまにも零れ落ちてきそうだ。
何度も口づけを重ねた、濡れた薄い唇から漏れる息が乱れ始めると、切羽詰まったなにかを訴えたいかのように、見下ろすその顔の表情と共に、強く深く打ち付ける腰の動きには余裕がなくなっていく。