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いじっぱりなシークレットムーン
第7章 Waning moon
 

 謝りながら、顔中に啄むようなキスを降らせる。

「ブルームーンで、しっかり繋がろう? 身体だけじゃなく、心も。心も繋げようよ、あなたが不安にならないくらい、俺を縛って?」 

 それが心地よくて、あたしは微笑みながら微睡(まどろ)んでいく。

「……陽菜、寝ちゃった? また疲れさせちゃったね、今夜はもう寝ようね。続きはブルムーンで。……その時は、寝かせないから」

 頭と背中を撫でられ、意識が朦朧となる。

「……まだ不安なことがあるの? 俺が傍に居るっていうこと、まだ信じられない? こんなに飛ばして、ブルームーンより前に繋がりを求めるほど、あなたを惑わせていたものは、……俺だけじゃないよな。俺以外に何を感じてる、陽菜」


 あたしは知らない。


「好きだよ――陽菜。こうやって、意識あるあなたに口に出せないのが……苦しい」


 苦しげな顔をして、朱羽があたしの唇に長いキスをしたことに。


「……陽菜、もう水曜日になったよ。ブルームーンまであと二日だ。あと二日たてば、俺は……あなたを抱く。もう我慢しない。あなたに、まず俺の気持ちをぶつけたい。どんなにあなたを想っていたか。どんなにあなたが欲しいのか。だからそれまで……今は身体……快楽だけでもいい。ここでのことを、思い出にしないで……。ずっと……ここでのように、俺を求めて? ……はぁ、俺、今夜は眠れないな……」


 ブルームーンで最後まで抱き合うことは互いに了承しているというのに、得もしれぬ不安を抱えているのは、どちらなのか――。


 
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