この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

「出すって、勝手に出ただけで……」

「……俺があなたを愛したのに、まさかあなたは、結城さんに愛されていると思ってたんじゃないだろうね」

 どうして、このひとは。

「繋がりたいっていうのは、結城さんに言ってたんじゃないだろうね!?」

 結城に対して、ここまでやきもちを焼くのだろう。

 あんなに男の顔で、あたしにいやらしいことをしてイカせたくせに、ブルームーンまでは繋げないって、あんなに苦しそうにしていたくせに、どうしてこんな甘えたの駄々っ子のような顔を見せるんだろう。

 胸が切なくなるほどに愛おしくて仕方がない。

 この気持ちに乗せて、朱羽が本当に好きだと言いたいけれど、朱羽がブルームーンまで我慢しようとしているのなら、あたしも我慢しよう。

 朱羽の気持ちも気になるけれど、だけどあたしはそれより、この心を伝えたい。

 好きで好きで、ずっとこうして離れたくないくらい、ひとつになって溶けてしまいたいくらい、こんなに好きになったのだと、こんなに朱羽の前では女でいるのだと……、伝えたい。

 枯れたあたしの心に朱羽が潤いをもたらした。

 満月ではないのにここまで渇望していることを、ブルームーンでうまく伝えられればいいけれど、快楽に走りそうで怖い。

 手紙を書いておこうかな。

 繋がれた勢いで生じた気持ちだと思われないために、繋がれなくても好きだということを、先に手紙に書いておこうかな。それでブルームーンの時に渡すの。

「ねぇ、陽菜。なんで否定するとどころか、そんな顔するんだよ」

 朱羽がむくれている。

 否定する……って、なんだっけ。

「なんで結城さんの話題で、そんな女の顔になるんだよ!」

「女……きゃっ」

 苛立ったらしい朱羽に強く抱きしめられた。

 また朱羽の匂いが強くなる。

「本当にあなたがいつもの意識あると、ロクなことないね。あなたが俺を求めるのは、いやらしくなっている時だけかよ」

 朝から甘い朱羽の匂いに、意識飛びそう。

「めちゃくちゃ腹立つ」

 なんて可愛いんだろう。

 こういう気持ちを、萌えるって言うんだろうか。

「……結城、嫌い?」


 何も答えがなく、ぎゅうぎゅぅあたしの身体を締め付けるように腕に力を入れる。その力の強さこそが、彼の嫉妬なんだろう。

「仲良くなれそうにない?」
  
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ