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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

「そうだよ、知らなかった? 俺がいやらしいってこと」

「ひ、開き直った!」

「だってそういう風に俺に仕込んだのは、あなただろう? 九年前、なにも知らないいたいけな俺をホテルに連れ込んで、明け方まであなたは俺になにを教えていたかわかってる?」

「し、知らないっ!」

「知らない? じゃあ教えてあげようか? あなたが悦ぶ前戯での愛し方や奥深くまで繋げる方法。凄くいやらしい体位で繋がったよね」

 囁く声が、あたしの子宮を疼かせる。

 九年前、忘れていた記憶なのに、あの時の気持ちよさが身体に蘇るようだ。今は挿れて貰えない朱羽のを、あたしはねだって胎内に収めて、あまりの気持ちよさに悶えていたんだ。途中から主導権は奪われ、十五歳の朱羽にイカされ続けられていた。

「思い出した?」

 朱羽の手があたしの下腹部を優しく撫でる。

「ここの奥に俺のを挿れると、あなたは凄く悦んだよね? 子宮口を俺のでノックしたら、あなたはよがっていたよね。十五歳相手に。俺、うまくて激しかったんだっけ?」

「わ、忘れてよっ」

 足を摺り合わせたのを朱羽は見逃していなかった。

 あたしの足の間に自分の足を入れてくる。

 微妙にあいた隙間がもどかしい。

「やだね、忘れないよ俺は。九年後のセックス、楽しみだね」

「……っ」

「避妊具、ひと箱じゃたりなくなるね」

「朱羽っ!!」

 恥ずかしくて顔に手をあてると、その手をとられて握られる。

 そのまま上に上げると、朱羽は目を伏せ、繋げたあたしの手の甲に唇を押し当てた。

「な、なに!?」

「願掛け」

「願掛け?」

「そう。俺の我慢が報われますようにって」

「………」

「なにせあなたは、あれだけ俺に愛されてイッたのに、俺の腕の中で結城さんを夢に出すくらいだから」

 うっすらと開いた目は不機嫌そうに細められ、あたしを詰るようだ。
 
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