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いじっぱりなシークレットムーン
第8章 Blue Moon
 

 吐き出る息が、甘くてたまらない。

 心地よい微熱とこのムードにまどろむようになりながら、あたしの身体をすべて朱羽に預けるようにして、濃厚なキスに酔い痴れる。

 もっと、もっと。朱羽の熱を溶かして注ぎ込んで貰いたい。

 朱羽の熱で溶け合いたい――。

 朱羽の熱を感じたくて、朱羽の首に両手を回せば、朱羽の両手があたしの背中を撫で、首元にあるワンピースのチャックを引き下ろし、直の背中を撫でてくる。

 ワンピに線が出てしまうから、キャミを着てこなかったのだ。

 あたしの身体が持ち上げられ、朱羽の膝の上に後ろ向きに乗せられた。

 背中のチャックを腰まで下げられて、背中を朱羽の熱い唇と唾液で濡れた舌で愛撫される。

「ぁああ……」

 あたしの口の中のオリーブが転げ落ちそうになり、慌てて食べた。

 朱羽の片手が、背中から肌を撫でるようにして前に回る。

 ワンピの中で、もぞもぞと動く手は、ブラの上から強く乳房を揉み込んで。もう片方の手はスカートの中から内股をまさぐる。

 まだ弱いところに直で触れられていないのに、身体がびくびくして止らない。

「朱羽、駄目、ねぇあたし感度があがってるの、だから駄目っ」

 朱羽の熱を直に感じた肌は、それ以上の熱を求めている。

「……部屋に行こうか、陽菜。あなたを愛したくてたまらない」

「……っ」

「それと、そのカクテル、ブルームーンだけれど」

 朱羽は背中に頬をすりすりしながら言った。

「そのバイオレットリキュールのパルフェタムールって、フランスのものでさ。フランス語でパルフェは"完全な"、タムールは"愛"で、"完全な愛"という意味があるんだ」

「そうな……んんっ、ねぇ、チャック上げてよ」

 朱羽が背中に、キスマークをつけているようだ。

「だからブルームーンは、断りのカクテルであると同時に、完全な愛とか、幸福な瞬間という意味がある。……行こうか、部屋に。愛を完成させて、一緒に幸せを感じよう?」

 チャックを上に上げ、朱羽はあたしの耳元に熱い吐息混じりに囁いた。

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