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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
九年前以上に妖艶さを見せる、大人の男の姿をして。
あたしを求める欲情した切れ長の目を、切なそうに細めて。
時折自らの欲を制するように眉間にくっと皺を刻んで。
喉元を反り返らせ、半開きの唇から悩ましい息を吐いて。
……噎せ返るような色香をまき散らしながら、乱れる朱羽は本当に綺麗で。九年前と変わらぬ、いやそれ以上に精巧に出来た陶磁人形(ビスクドール)のよう。
否、人形ではないね、朱羽は生きている。
心がある。
「……はぁっ、陽菜……怖くない? 痛くない?」
それでもあたしを慮(おもんぱか)って、欲をここまで必死に押し止めようとしているのが嬉しくて。
こんな時なのに、あたしを優先してくれるその心が、朱羽への愛おしさを募らせる。
「ん、大丈、夫。朱羽しか、考えられ……ない、からっ」
あたしの中にいる自分を、優しくないほど凶悪にさせているのに、朱羽はあたしを気遣うように獰猛さを潜めてゆっくりと動いている。
挿ってくる時はぞくぞくするのに、出て行く時は寂しくて蜜壷の奥が朱羽を求めて疼く。
もっと奥まで満たして貰いたい。
朱羽でいっぱいにして貰いたい。
そう目でせがむと、朱羽がわかったというように微笑んであたしの唇にキスをしながら、ぐっと勢いをつけて奥まで突いてきた。
「……ああ、俺の形に馴染んでくれたね。どれだけ俺好みの身体になるんだよ、あなたは」
「……っ」
強く打ち付けられる秘部からは、互いの粘液が混ざった淫らな音がする。
どこまでもいやらしく感じるのに、それでももっとあたしは朱羽に求められたくて仕方がない。
淫らな音に甘美な声を混ぜ込みながら、朱羽はあたしを抱きしめながら揺さぶり、ひとつの音楽を奏でるようにふたつの身体が艶めかしく揺れる。
朱羽は起き上がり、あたしの腰を持ち上げるように両手で支えて、あたしの奥を穿つように激しく早く抽送すれば、ふたりの淫らな液が攪拌されて、やがて白っぽくなって結合部分から滲み出たのが見えた。