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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
言葉を詰まらせたあたしの頭を、朱羽はソファの背もたれに頬杖をつきながら、反対の手を伸ばして撫でててくる。
あたしを見る目が愛おしそうに細められていて、ドキドキして俯いてしまう。
「今度、あなたの好みとか少しずつ教えてね。身体だけではなく、性格の相性もいい気がするんだ。陽菜、今は素だろ? 俺、あなたの素も素顔も凄く好きだし。いじっぱりなところも可愛いし、いじめたくなる」
「……っ」
「あなたはどう? 素の俺、嫌? 子供っぽい?」
あたしは真っ赤な顔で頭を横に振った。
「どの朱羽も好き。えっちな朱羽も無邪気な朱羽も会社モードの朱羽も。それと……子供っぽくないよ」
「そう、それはよかった。はい、ご褒美あげる。あーんして」
あまりに美しい笑みで、顔を傾けるようにして、あたしの口の中にメロンを刺したフォークを入れる。
そして後頭部に手を置くと、
「俺にも甘いの頂戴」
あたしの唇を塞いで、噛んでいたメロンを舌で奪われた。
悪戯っ子のような揶揄する光を湛えた目に、意固地になって渡すものかとあたしも舌を使って防げば、さらに巧妙に動く朱羽の舌があたしの舌に絡めてくる。
そのまま果ててしまいそうなくらいに気持ちがいいキスをしておいて、さっさとメロンを取り上げる朱羽は非情。
睨み付けるあたしをものともせず、挑発するように笑う朱羽は、またあたしの後頭部を手で支えて、メロンを戻してきた。
あたしの声が漏れる中、朱羽の甘い唾液で包まれたメロンがあたしの口の中に入り、そしてあたしの唾液を含んだメロンが朱羽に移動してを繰り返すと、朱羽と繋がったような感覚に身体が火照って惚けてしまう。
朱羽により快楽を刻まれた身体は朱羽を求めて、より濃密なキスをする中で、ふたりが交互に嚥下したメロンはなくなり、純粋な朱羽の舌だけを堪能できて、重い腰が甘くざわめいていく。
身体の力が入らず、朱羽の肩に凭れるようにしてキスをしているあたしに、あたしをソファに仰向けに倒そうとするほどに、朱羽のキスは激しくなっていく。
「駄目だ。これじゃ出かけられない」
朱羽が切なそうな目で、途中で唇を離した。
しばしお互いにはぁはぁと荒い息をしながら、ティッシュで朱羽の唇についたあたしの口紅を拭ってあげる。