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いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
「嘘つき!! 信じてたのに!!!」
「ごめんね、あなたがあまりに可愛かったから」
「そんな言葉で惑わされない。嘘つき!!」
「あなたを可愛がっている時には許して。それ以外では嘘つかないから」
「嘘つき、嘘つき、嘘……」
朱羽が身を乗り出して、キスをしてきたのだ。
怒ったあたしは朱羽の舌を拒んで唇も歯も閉じていたけれど、こじ開けて入ってきた朱羽の舌の動きに翻弄され、いつしか喘ぎ声を出して夢中になってしまった。
***
初めてのルームサービス。
スクランブルエッグにベーコン、サラダ、カットメロン、コーンスープに温かなパンという、定番のような洋食だった。
ソファに座り、ふたり仲良く朝食タイム。
あたし達は風呂に入り、恒例のようにいちゃいちゃしながら風呂から出て、服を着た。朱羽に服を着せないと、ただ漏れの色香にあたしが求めてしまうから。
上着だけを着ていないシャツとスーツの下姿で、ソファに並んで食べている。朱羽はネクタイはまだつけていないが、眼鏡はかけた。
「美味しい?」
「朱羽が作ってくれた方が美味しい」
「ここは天下の帝王ホテルで、有名なシェフが調理しているんだぞ。俺を煽ててなにが欲しいんだよ、陽菜」
「えー、愛?」
「さっき愛したじゃないか。貴重な最後の一個を使って。そうか、もっと俺の愛が欲しいか。だったらコンビニから箱を買って……」
「次にしよう、次に」
慌てて言ったけれど、朱羽も笑っているだけで、今回はもうやめるつもりらしい。
「次の日がフルで休みなら、陽菜の腰を砕いてあげるよ」
この男、あんなに激しいことをしていたのに、社長のところに行くことを考慮して、動けるようにするまでに手加減していたのか。
これで!!
ひと箱分使い切るセックスをしてしまったためか、腰が重くてたまらない。願わくば、皆にばれませんように。
「十二回もイッたのに、なんで元気なの?」
「はは。陽菜は何回だっけ? 俺が一回イク間、陽菜が三回イッていたとすると……」
「理系だからって、計算しなくていい!」
所詮頭のいい奴には敵わない。