この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第9章 Lovely Moon
 

「杏奈、そんなに凄いんだ……」

「彼女の受賞歴は世界に通用するものだからね。そう思えば、陽菜。なんで彼女を、向島は本気で欲しがらないのだと思う? 彼女なら、Robert Martingも認めると思うのに」

「え……」

 確かにそうだ。

 朱羽が欲しいなら、朱羽も認めているシークレットムーンのプログラムの基幹となる杏奈だって、欲しがられてもいいはず。そう今だって、朱羽と杏奈を引き抜けば、シークレットムーンは大打撃なのだから。

 あたしなんかより、杏奈に目をつけた方がよほどいい。千絵ちゃんだって仲がよかった杏奈を真っ先に声をかけそうだ。

 あ、声をかけられても残ったんだっけ、杏奈。
 
 そこまで杏奈が凄いなら、千絵ちゃんではなく、向島自体が動いてもいいはずだけれど、杏奈が引き抜かれているような様子は全くない。
 
「き、奇抜だから?」

「……向島も実力主義だ。どんな格好だろうと実力さえあれば認められる。……彼女が来たのは、ムーンがシークレットムーンになった、二年前だったよね。中途採用で」

「うん」

「あの格好はいつからだとか聞いてる?」

「一年前、つまり三年前からのはず」

「なんでとかは?」

「いや特には。目覚めちゃったの~と言われて、ああ、そうかって」

 一体杏奈の何がひっかかるのだろう。

「俺はね、陽菜。向島専務が本当に欲しがっているのは、彼女だと思う。時期も合うから」

「え、えええ!? なんで? プログラム強いから? 千絵ちゃん以外に杏奈に声がけしてたのかな」

「多分していないだろう。彼女はシークレットムーンにした渉さんに守られ、中核にいて簡単に引き抜きできない状況にいた。同時に……彼は、そんな強引なことを彼女にはできなかった」

「な、なんで?」

 杏奈は奇抜だけれど、ちゃんとひとの話は理解できる。格好と物言いはおかしいけれど、優しいし物事をちゃんとよく見ている。

 朱羽はあたしを見据えて言った。


「三上さんこそ、向島専務が結婚しようとしていた相手だと思う。

――三年前に彼と破局した」


/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ