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いじっぱりなシークレットムーン
第10章 Funky Moon
「朱羽は……欲しくないの?」
「え……」
「あたしだけなの? 朱羽と愛し合いたいと思うの」
「……っ」
「……抱かれるたびに、愛しいって思うの。あたしやっぱり、朱羽にえっちにされちゃった」
微笑む朱羽が、ちゅっと頬に唇を落とした。
「俺がいなければ生きていけない身体に、早くなれよ」
まっすぐで、切実な眼差し。
「もうなってるよ」
「まだだ。あなたはまだ余裕がある」
「そんなこと……。余裕あるのは朱羽で……」
「どこが?」
朱羽は乾いた笑いを見せる。
「俺、余裕ないこと身体で伝えてるんだけど」
「……っ」
「箱で使い切るのが、普通だと? 俺、そこまで性欲ないよ?」
茶色い瞳が優しく細められる。
「理性を飛ばすのはあなただけだということを自覚して。なんでここまであなたを欲しがるのか理解して。あなたはそれだけ俺にとって特別なんだと、意識して」
「……っ」
「セックスの時だけではなく、身も心も俺に溶けて。溶けきって、この先なにがあっても俺から離れられなくなって」
「朱羽?」
朱羽は笑いながら、怪訝な顔をしたあたしをぎゅっと抱きしめて身体を起こし、彼の膝の上に真向かいに座らせた。
「あなたの前にいる俺は、あなたを手に入れてあなたと永遠に一緒にいるために、……あなたのためだけに存在する」
朱羽の目が真摯な光を宿した。
「だけどもし。もしもだよ? ……タイムリミットが予想外に早く訪れ、あなたを手に入れるためにしてきたことの代償を支払わないといけなくなったら」