この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第11章 Protecting Moon
「あたし、ちょっと飲み物とおつまみ買ってきます。皆は飲み物お茶系? コーヒー系? 柑橘系? どれがいい?」
各々の注文をとりながら、一階のコンビニに向かおうとしたら、沙紀さんが帰ってきた。
「どう!? どうだった!?」
あたしはウインクしながら親指をたてた。
「きゃーっ、さすがは陽菜ちゃんっ!!」
沙紀さんがあたしに抱きついてくる。
「あたしはなにもしていないんだけれどね」
「私絶対、陽菜ちゃんならやれると思ってたの!! もうちゅうしたいっ!!」
まるで聞いていない沙紀さんが唇を突き出して、あたしのほっぺに触れようとした瞬間、専務が沙紀さんを、傍に居た結城があたしの腕を掴んで引き離し、その結城の腕を掴んだ朱羽が引きはがした。
「……悪ぃ。お前の仕事奪っちまった」
結城は苦笑しながら朱羽の肩をぽんと叩くと、先にリビング室に赴いた。
「買い物、手伝います。真下さん、渉さん、始めていて下さい」
「ああ……」
「うん。あ、私ね、新発売の珈琲コーラ飲んでみたい!! 前に陽菜が言ってた奴よ」
「え……あれバルガーだから、病院出ないと……」
「よろしく!」
衣里は爽やかに笑って、手をひらひらさせていなくなる。
「じゃあ、全員それだ。遅くなっていいぞ」
専務が苦笑いを顔に浮かべた。
「いやいや、ちゃんとすぐ戻ってきますって。歩いて十分もしないところにあるし」
「……三十分やる。三十分でその珈琲コーラだとかいうのと、バルガーの美味しそうな夜食を買ってこい。ほら、金やる。つりは返せよ?」
「ありがとうございます。承りました!」
あたしは敬礼した。
「朱羽、夜道なんだし、カバは一応メスなんだから守れよ」
「一応メスって……」
「渉さんに言われずとも、もう十分、見て触ってわかっています」
「ちょっ」
朱羽が不敵に笑うと、専務がぴゅうと口笛を吹いた。