この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
いじっぱりなシークレットムーン
第12章 Fighting Moon
 


 衣里のマンションはデザイナーズマンションで、朱羽のマンションには敵わないが、あたしのボロマンションよりはかなり上位な、白と赤が可愛い建物だ。

 ここは女性のみという規則はないらしいが、この外観の建物に住もうという男性はいないらしく、実質女性のマンションになっているらしいことを、昔に衣里から聞いた。

 朱羽が衣里の集合の郵便受けを見つけ、金庫のようにダイヤル式の鍵がかかっているため、投函する隙間から覗くと、郵便物はちゃんとあるらしい。

「ということは外出?」

「ねぇ、鹿沼ちゃん。真下ちゃんは新聞とってるの?」

「うん、経済新聞を。そうか、ドアのところに新聞があるかないかで確かめればいいのか。郵便取り忘れても、毎日欠かさず衣里なら新聞見るから」 

 七階、勿論エレベーターを使って赴いた。真下と書かれた表札のドアの前に立ったが、新聞受け新聞は挟まっておらず、奥に落とされたのかと、視力2.0を自慢する木島くんが覗いて見たが、落ちたような形跡はなかったようだ。

「じゃあ衣里、いるんだね」

 だがチャイムを押してもノックをしても応答がない。

「衣里、居る!? 衣里っ!」

 まるで音沙汰もなく。

 衣里に持病があるとは聞いたことはないが、突発性の心臓とか脳とかの病気で倒れていたりしていないか。
 
 命に別状はないわよね!?

 余計に不慮の事態に焦り、杏奈とドンドンと拳でドアを叩いた。

「衣里、開けて! 衣里!!」

「真下ちゃん!」

 しかしシーンと静まりかえったまま。

 向こうでカタリとも音が聞こえない。

「いるのかな、いないのかな……」

「これ、管理人さんに開けて貰わないと駄目かな」

「真下さん、何事もなければいいっすね」

「俺、管理人に――」


「真下さんなら、お留守ですよ?」

 あたし達の物音に気づいて、隣のドアから子犬を抱いた女性が出てきた。
 
/1291ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ