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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第10章 再出発
―― 華と夏の1歳の誕生日。
今泉と冬は4人で今泉の実家に身を寄せていた。
大人だけの今泉家が一気に騒がしくなった。今泉の父、隆三も、華と夏を眺めて顔が緩みっぱなしだった。
「ふたりとも、冬さんに似ているわね。」
今泉の母、ユウが笑った。
子供達は、隆三が手入れをしている畑の土の上にべったりと座り土を弄っている。
「こりゃ…土を食っちゃいかんぞ。」
華が赤いトマトを指でさしていると、隆三はそれを捥いでやり、ふたりに手渡した。
「お父さん…楽しみにしていたんですよ。冬さん達がくるのを。」
冬はその様子を縁側でスイカを食べながら眺めていた。今泉は学生時代の友人に会いに行くと言って出かけていた。
「冬さん…シズのこと…本当にありがとうね。あなたが傍に居てくれて本当に、本当に良かった…でなければ…あの子きっと。」
今泉の母のユウは声を詰まらせた。夏が帽子を脱いでその中に土を入れ始めた。隆三が慌ててそれを止めるのを冬は静かに眺めていた。
「お義母さん…私こそいつも静さんに助けて貰っているんです。」
2人を連れて畑仕事なんて絶対に出来ないと思うが、いいのよお父さんが連れて行きたいんだからとユウが笑った。毎日涼しい時間には、ふたりを畑へ連れて行き、土の上で遊ばせた。
「あなたたちは、いつ頃日本へ戻って来る予定なの?」
「静さんは、少し働いて見たいって言ってました。でも…静さんが働き出したら、半年に一度は日本に戻って来たいと思っています。あっ!…こら夏さん。お砂投げちゃ駄目でしょう。」
砂が顔に当たり泣き出した華を抱っこして縁側へと連れて来た。砂を丁寧に払うと、ユウが濡れたタオルを持ってきてくれた。ふたりといるといつもじっとしていられなかったが、子育ては楽しかった
今泉と冬は4人で今泉の実家に身を寄せていた。
大人だけの今泉家が一気に騒がしくなった。今泉の父、隆三も、華と夏を眺めて顔が緩みっぱなしだった。
「ふたりとも、冬さんに似ているわね。」
今泉の母、ユウが笑った。
子供達は、隆三が手入れをしている畑の土の上にべったりと座り土を弄っている。
「こりゃ…土を食っちゃいかんぞ。」
華が赤いトマトを指でさしていると、隆三はそれを捥いでやり、ふたりに手渡した。
「お父さん…楽しみにしていたんですよ。冬さん達がくるのを。」
冬はその様子を縁側でスイカを食べながら眺めていた。今泉は学生時代の友人に会いに行くと言って出かけていた。
「冬さん…シズのこと…本当にありがとうね。あなたが傍に居てくれて本当に、本当に良かった…でなければ…あの子きっと。」
今泉の母のユウは声を詰まらせた。夏が帽子を脱いでその中に土を入れ始めた。隆三が慌ててそれを止めるのを冬は静かに眺めていた。
「お義母さん…私こそいつも静さんに助けて貰っているんです。」
2人を連れて畑仕事なんて絶対に出来ないと思うが、いいのよお父さんが連れて行きたいんだからとユウが笑った。毎日涼しい時間には、ふたりを畑へ連れて行き、土の上で遊ばせた。
「あなたたちは、いつ頃日本へ戻って来る予定なの?」
「静さんは、少し働いて見たいって言ってました。でも…静さんが働き出したら、半年に一度は日本に戻って来たいと思っています。あっ!…こら夏さん。お砂投げちゃ駄目でしょう。」
砂が顔に当たり泣き出した華を抱っこして縁側へと連れて来た。砂を丁寧に払うと、ユウが濡れたタオルを持ってきてくれた。ふたりといるといつもじっとしていられなかったが、子育ては楽しかった