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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第11章 雨あがりの虹
「こんにちは。」
立派な和風の屋敷だった。大きな玄関の呼び鈴を探したが、見当たらなかった。小鳥遊は大きな格子戸をあけてもう一度部屋の奥に声を掛けた。
「はいはい…。」
今泉の母ユウが、夏を抱いて出て来た。眠いのかユウの肩越しに、顔を擦りつけてむずがっていた。
「夏(かい)…さん?」
暫く見ない間に本当に大きくなった。
ユウはそれを聞くと,少々お待ちくださいね…と言って慌てて奥に戻って行った。遠くで話し声が聞こえた。暫くすると今泉が出て来た。
「お久しぶりです…ガクさん。」
ふたりの子供の父親というには、余りにも若過ぎる、少年の様な笑顔だった。
「お久しぶりです。」
今泉は、どうぞ上がって下さいと言うと、応接室へと案内した。
「暑いのに、わざわざ東京から遠かったでしょう?」
ユウが冷たい麦茶を小鳥遊の前に置いた。
「初めてお目に掛かります。小鳥遊と申します。」
「夏さんのお父さんです。」
今泉が言葉をつけたした。
「やっぱり…お顔…夏さんと…似てますわね。」
笑っていうと台所へと戻って行った。
それを見届けてから今泉は話し出した。
「いらっしゃると思ってました。」
「写真ありがとうございます。」
暫く沈黙が流れた。
「以前のあなたに戻ったようで良かった。」
体重も元に戻って健康そうな今泉を見て小鳥遊は静かに言った。
「僕は…フェンタニル…依存症なんです。」
…何か病気だとは思っていたが。
カミングアウトした今泉にどのように返事をしてよいのか困惑した。それでも気にせず今泉はニコニコしながら話を続けた。
「春さんが…僕を助けてくれたんです。今もカウンセリングに通っています。あの時の僕は自分の事で精一杯でした。多分もう少し遅かったら、駄目になっていたと思います。」
自分のせいで、こんなにもこの男を追いつめてしまっていたことに改めて気づかされた。
「どうそお上り下さい。」
今泉は小鳥遊を応接室へと案内した。
立派な和風の屋敷だった。大きな玄関の呼び鈴を探したが、見当たらなかった。小鳥遊は大きな格子戸をあけてもう一度部屋の奥に声を掛けた。
「はいはい…。」
今泉の母ユウが、夏を抱いて出て来た。眠いのかユウの肩越しに、顔を擦りつけてむずがっていた。
「夏(かい)…さん?」
暫く見ない間に本当に大きくなった。
ユウはそれを聞くと,少々お待ちくださいね…と言って慌てて奥に戻って行った。遠くで話し声が聞こえた。暫くすると今泉が出て来た。
「お久しぶりです…ガクさん。」
ふたりの子供の父親というには、余りにも若過ぎる、少年の様な笑顔だった。
「お久しぶりです。」
今泉は、どうぞ上がって下さいと言うと、応接室へと案内した。
「暑いのに、わざわざ東京から遠かったでしょう?」
ユウが冷たい麦茶を小鳥遊の前に置いた。
「初めてお目に掛かります。小鳥遊と申します。」
「夏さんのお父さんです。」
今泉が言葉をつけたした。
「やっぱり…お顔…夏さんと…似てますわね。」
笑っていうと台所へと戻って行った。
それを見届けてから今泉は話し出した。
「いらっしゃると思ってました。」
「写真ありがとうございます。」
暫く沈黙が流れた。
「以前のあなたに戻ったようで良かった。」
体重も元に戻って健康そうな今泉を見て小鳥遊は静かに言った。
「僕は…フェンタニル…依存症なんです。」
…何か病気だとは思っていたが。
カミングアウトした今泉にどのように返事をしてよいのか困惑した。それでも気にせず今泉はニコニコしながら話を続けた。
「春さんが…僕を助けてくれたんです。今もカウンセリングに通っています。あの時の僕は自分の事で精一杯でした。多分もう少し遅かったら、駄目になっていたと思います。」
自分のせいで、こんなにもこの男を追いつめてしまっていたことに改めて気づかされた。
「どうそお上り下さい。」
今泉は小鳥遊を応接室へと案内した。