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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第11章 雨あがりの虹
「トーコさんが今は働いて、僕は脛かじりです。」

「専門医の資格ですよね。」

「ええ。」

「藤田先生が教えてくれたんです。」

…二人はどんどん遠い所へ行ってしまう。

「そうですか。」

風鈴の音が遠くから涼やかに聞こえてきた。

「彼女は…元気ですか?」

「はい…とっても元気です。脳外科病棟で働いていて、大学で講師をしています。ただ…」

寂しそうな複雑な表情を浮かべた。

「あの時の事は、8ヶ月経った今も一度も話しません。」

暫く沈黙が流れた。今泉は汗をかいている麦茶のグラスを見つめていた。

「僕が…馬鹿でした…浅はかでした。」

冬を深く愛しているのに、何故あの夜流されてしまったのか。寂しかったから…なのかも知れない。

「ええ…あなたは軽佻浮薄で大馬鹿者です。」

今泉の言葉は容赦が無かった。

「同情の余地もありません。」

だいぶ年下のこの男に言われることが何よりも辛かった。

「あなたがおっしゃる通りです。」

小鳥遊は今泉にあの夜、起こった出来事について初めて語った。
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