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*。:゚+ 小鳥遊 医局長の結婚生活+゚*。:゚
第12章 パワー・ゲーム
「おふたりとも…とても愛されているんですね。」

隆は少し疲れているように見えた。
タエが遠慮がちにそっと近づいてきた。

「隆さんと小鳥遊先生は何かお飲みになりますか?」

隆が立ちあがり、僕が持ってきましょう。ワインで良いですか?と小鳥遊に聞いて立ち上がり、ちょっと待っていてくださいと微笑んだ。

「藤…隆先生は嫉妬をしないんですか?奥さんや藤田先生に。」

隆は微笑んだ。

「勿論…しますよ。」

小鳥遊は不思議だった何故このような話をこの男に自分は自然に出来るのか。

「僕には彼の子供を産めません。結婚も出来ませんから養子に入ったわけです。」

…そうだったのか。

精神科医の時任が入ってくるのが見えた。ちらりとこちらを見たので小鳥遊は挨拶をした。

「時任先生をご存じなんですね。」

隆は小鳥遊の視線を追った。

「僕は、性嗜好障害で治療中なんです。」

隆は再び小鳥遊を見つめた。

「僕も…彼のところで鬱と性嗜好障害で治療を受けていました。今は時々セラピーに通うだけですが。」

小鳥遊は大きなため息をついた。

「僕は以前から指摘されていたんです。なのに、聞き入れず、色々問題になりました。」

隆は微笑んだ。

「いや…失礼。皆大切な人を失いそうになって初めて気が付く…んですよね。僕も蓮(れん)…藤田を失いそうになって初めて気が付きました。」
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