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蜘蛛の巣
第1章 出逢い

「ああ」
続けて聞こえてきた声に、んっ?と眉をひそめる華
"なんか女の子にしては声が低かったような……"
「今日はアイツらの嫁候補が来るんだったか?
どんな女かな……」
遥は車に乗り込むと入り口の真横に座っていた華に目を止めた
「お前か」
顔を覗き込まれ、華は"彼"と目が合ってしまった
「ええええええ!?」
予想外のことに華は一気に奥まで後ずさる
"おおおお、男!?"
勢い余って転んでシートに倒れ込んでしまった
「華様!」
遥の後について乗り込んできた呉羽は厳しい顔を見せる
「あ……し、失礼しました……」
その空気に華は慌てて立ち上がった
「は、初めまして」
今更ながら笑顔で挨拶
「白河は……」
「チッ」
"チッ!?"
自己紹介の途中で舌打ちされて華の体が固まる
「お前の名前なんかに興味はない。どんな女かと期待して見れば見た目も態度も標準レベル。
こんな女と同居とは、アイツらも不憫だな」
ハッと笑うと華を押し退けて奥の方に腰掛けた
不機嫌そうな顔で脚を組むと呉羽に車を出させるよう指示を出す
「……華様」

