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蜘蛛の巣
第5章 告白



二人は思わず相手から顔を背けた



「……で、何の用だよ」



結利が少しむすっとした様子で煉に尋ねる



「うーんとね、お腹すいたなぁ、と思って」

「はぁ? そんなの橘さんに言えばいいだろ。なんでわざわざ……」

「なんかね、今日は本家のお屋敷の方にお客様が来てるらしくて、皆そっちに取られちゃったんだって。だから華チャンに頼めって言われちゃって」



そんなこと一言も聞かされていなかった華は驚いて目を見開く



「す、すみません。すぐ準備します」



急いで椅子から立ち上がり入り口へ向かう



"先に言っといてくれればいいのに……"



相変わらず雑な扱いをしてくれる



「ごめんね華チャン、僕も出来るだけ手伝うよん」

「お前料理なんかしたことないだろ」

「目玉焼きくらいなら……多分」



こうして(結利は結局ほとんどピアノを弾かないまま)三人はサロンを後にし、食堂へと向かったのだったーーー


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