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蜘蛛の巣
第6章 砕かれた心<オモイ>
広い食堂にはまだ誰の姿もなく、とても静かだった
「えっと……今日は全員分作っていいんでしょうか?」
華の質問に煉は肩をすくめる
「さぁ、僕は何も聞いてないよ。とりあえずはそれでいいんじゃない?」
「分かりました。じゃあ二人はここで待ってて下さい」
「いや、オレたちも手伝うって」
一緒に調理室に入ろうとする結利を華はいいから、ととどめる
「慣れないことして怪我しちゃったら大変だし」
「そうだよ、ゆークン。僕たちがいても足手まといだって。ただ見守るのも愛ですよ〜」
「どーゆー意味だよっ!」
少しムキになる結利を笑いながら調理室に入る
レストランにあるような業務用のキッチン
華は冷蔵庫の中を確認し、メニューを考えた
「まぁ簡単にカレーとサラダでいいかな」
一気に人数分作れるし、残しておきやすい
「よし!」
と一人気合いを入れ、華は夕飯の支度を開始した