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蜘蛛の巣
第7章 それぞれの顔



挨拶を終え、片付けを始める二人

ここからでは背中しか見えないが、負けた悔しさは痛いほど伝わってくる

そしてーーー



「アーヤ…泣いてる……?」



この後、煉の言っていた意味がようやく華にも分かるのだったーーー



******************************



「ヒクッ…ボクがあそこで…ミスしたから……っ」



帰りの車の中、綾斗はずっと悔し涙を流して自分を責め続けていた



「いやー、ダブルスなんだからさ、連帯責任じゃない? だってほら、最後のはカーヤのミスだし」

「煉さん、そのフォローは……」



後部座席の左側で泣きじゃくる綾斗に対し、茅斗はその隣で黙ったままずっと外を眺めている



「だってカーヤはっ…途中でワンゲーム取ったし……っ」



今は何を言っても無駄だと思っているのだろうか

終始変わらぬ調子の二人を乗せ、車は屋敷へと到着した



「……おやすみ」



その一言だけを残し、茅斗はさっさと自分の部屋へ戻ってしまう



「アーヤも今日はもうお風呂入って早く寝たら?」

「…うん……」



綾斗も鼻を啜りながらふらふらとその後を追った



「煉さん」

「ん?」

「今日初めて、二人の決定的な違いが分かりました」

「あー、はは……」



綾斗と茅斗

見た目も中身もそっくりだと思っていたが、やはり違う人間なのだとーーー


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