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蜘蛛の巣
第7章 それぞれの顔
「って、そんなこと言ってる間に6-6になってますよ!」
茅斗が全てサービスエースを打ってワンゲーム取るという神業を見せたらしい
逆境にあっても茅斗は落ち着いていた
「タイブレーク!」
「うーん、ルールがよく分かんないなぁ」
「えーっと、とにかく次のゲームを取った方が勝ちらしいです」
周りの声を聞きながら華はなんとなく説明をする
両者とも疲れているだろうに、最後のゲームは40-40のデュースにまでもつれ込んだ
相手に二つ差をつけた方の勝ちだ
「…なんかすごい苛々してるように見えるけど、あれって……」
「…アーヤです……」
茅斗が見せた連続サービスエースから綾斗の様子がおかしい
明らかに集中力が乱れていた
「アドバンテージ錦岡•織茂!」
もう何度目のデュースだろうか
あと一つ取られたら負けるというところで、今度は茅斗が表情を歪めた
打ち返した球が低く飛んで行く
「6-7、セット! 錦岡•織茂ペア!」
茅斗の打った球はネットに跳ね返された
二人は大接戦の末、敗北した
「あーあ、負けちゃったねぇ。これからが大変だ」
「……?」