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蜘蛛の巣
第9章 悩み
「いや、オレは全然運動出来ないし。壮真は確かに万能だけどな。スポーツも楽器もやるもんな」
「そんな……楽器じゃ結利には絶対かなわないよ」
謙遜になっているようでなっていないことを言う壮真
「良かったら聞いて感想貰えないかな?」
「え、でも私橘さんに喚ばれて……」
「あーいいんだよそんなのは。本番前に人前でやっときたいし。な、オレたちの手伝いの方がよっぽいいだろ?」
結利の言葉に華は笑いながら頷いた
"ホント……皆自由過ぎだよ!"
大きな悩みが一つ解決されて、華は久々に心の底から笑えているような気がしたーーー
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「仲直り出来たんだって? おめでとー」
その夜、談話室で本を読んでいた壮真のもとを一人の男が訪れた
「煉兄さん……」
「許してもらえて安心した? あ、それとも本心がバレなくて?」
「……言ってることが分からないよ」
壮真は相手にする気がないという意思を示すために立ち上がった
「別にキミが彼女とどう接しようと勝手だけれどね、二人同時は難しいんじゃない?」