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蜘蛛の巣
第11章 変わらぬ心、変わりゆく身体
「明日帰ってくるよ、和樹たち」
「……あ、そう。とりあえず和樹と馬鹿兄弟には挨拶するよう言っておけよ」
「和樹と双子……だけ?」
「何が言いたい」
遥はソファに寝そべりながら足元に座る壮真を睨んだ
「……いや、別に」
壮真はそこから目を逸らして肩を竦める
「ああ、そういえば煉も明日帰るのか。
何処に行ってたのか知らないがな」
「……本当に、隠せないね、遥には」
「そもそもこの俺に隠そうとするのがおかしいんだ。
まぁいい。帰ったらあいつにも来させろ」
「分かった」
壮真は頷いて立ち上がり、ドアの方へと向かった
「壮真」
呼び止められて後ろを振り向く
遥は彼を見ないまま言葉を続けた
「これからはもう少し顔を見せろ」
「……無理だよ。俺にも色々やることが……」
「色々? 部活をしたり、あの女を気にかけたりすることがか?」
かなりイラついた声だ
遥はソファから立ち上がると壮真につかつかと歩みより、自分より背の高い彼の胸ぐらを掴んで引き寄せた
「俺はあの夜あいつを連れていけとは言ったがどうにかしていいとは言ってない。その後も優しい顔してあいつに話し掛けて……俺よりあの淫乱を優先か?」