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蜘蛛の巣
第11章 変わらぬ心、変わりゆく身体
「……そんなんじゃない。ただあの子はまだここでの環境に慣れていないし、俺たちの花嫁候補なんだ」
少し哀しげに、申し訳なさそうに言う壮真の頬を遥の拳が強く打った
「……っ」
「嫁候補だろうが何だろうが、早霧を一番に考えろ。お前らは早霧のものだ。
他の奴らにも言っておけよ。何がいいのか知らんがあんまりあの女に現抜かしてると京堂の二の舞になるってな」
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翌日−−−
「ただいまー……って、うわ、また派手にやられたねこりゃ」
壮真と、先に帰っていた和樹たちの顔を見て煉は苦笑した
皆揃って頬を真っ赤に腫らし、綾斗と茅斗に至っては唇が切れている
「これは僕もご挨拶に行かなきゃダメなのかねぇ」
「煉兄さんにも来るよう言ってたよ」
「やだなーこわいなー」
煉は笑いながらもため息をついた
「レンおじさんなら大丈夫だって! ハルカさん、ボクたちで気が済んだと思うし」
「兄さんが殴られれば僕も少しは気が晴れるんだけどなー」
「和樹クーン、僕キミに何かしたかなー」
もう一度ため息をついて、仕方ない、と早霧の屋敷の方へ足を向ける
「せいぜいゴキゲンを損ねないよう努力しますよ」