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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

−−−いや、違う
一つだけ、思い当たることがある
華が壮真を誤解して避けていたあの頃、彼が要に話し掛けているのを見た
そして渡された物を要が苛立ちながらはね除けるのを−−−
「それってもしかして、遥さんと何か関係があるんですか?」
「遥に? どうして?」
「前に要さんが壮真さんに…“あいつ”と付き合うのやめたらどうのって……あれ、遥さんのことですよね?」
「……聞いていたんだね」
壮真は暗い顔で自嘲するように小さく笑う
「確かにメーちゃんはハルカさんのことあんまり好きじゃないみたいだけど……」
「……それとこのこととはね、あまり関係ないんだよ」
綾斗に続けてから、いや、と壮真は言い直した
「関係ないとは言えないかな……原因は全て同じだ」
「……?」
「華ちゃん」
今までにないくらい真剣な眼差しを向けられ、華の喉が大きく音を立てる

