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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

「でもさ、それっていつも分家の当主とその跡取りしか参加しないじゃん。ハナはよばれないんじゃない?」
「んー……」
茅斗の意見に壮真は少し考え込んだ
「でも俺たちの母親も来ることを考えると、いずれ当主の妻になる華ちゃんもよばれる可能性は高いんじゃない?」
「あー、そっか」
「まぁそれは時期が近くなればきっと分かるよ」
華は未だスケジュールのページを開いたままのスマホを両手の間で忙しなく動かしながら壮真を見つめる
来年の正月のこともさることながら、華にはもう一つ気になることがあった
「あの…要さんは……」
「……!」
「要さんの誕生日は、いつですか?」
「……」
そう質問した瞬間、今度は三人の顔が強張る番だった
重苦しい沈黙が談話室を包む
「あの……?」
「要…は……四月だよ」
「四月、の……?」
「七日」
「……」
四月七日といえば、もう華はこの邸に来ていたはずだ
だがパーティーはおろか、その日が彼の誕生日であることさえ誰一人口にはしなかった

