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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処

突然何かが弾けるような音が響き、華も壮真もサッと振り向いた
音の出所はーーーテレビだった
「あっ…これ、は……」
壮真の目が大きく見開く
その視線の先には、真剣な顔つきをした自分自身が映っていた
「ソーマの話つまんなーい。女の子泣かせるなんてサイッテー」
テレビの前で、そのDVDを入れた犯人、茅斗が此方を睨み付けている
「ハナを泣かせるとかもっとサイテー」
その言葉に壮真は少し驚いたようだった
そしてすぐにその言葉の意味を理解する
「ああ……ごめん。知らなかったよ」
「……??」
ーーー華には分からなかったようだが。
「これ、去年の弓道大会のやつ?」
綾斗が画面を見ながら誰に言うでもなく尋ねた
「ああ、うん。まあ」
当時の出場者は恥ずかしそうに咳払いをする
「さすが! 上手なんですね!」
大将として(後々それは"落ち"というのだと壮真に教えられるのだが)最後の一本を見事に的中させたのを見て感動する華
「あー……俺ちょっと用事思い出したから外すね」
自分を見て目を輝かせる彼女に耳を赤くしながら壮真は談話室から退散していった

