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蜘蛛の巣
第13章 鎖された場処
−−−要は困惑していた
彼女の想いにどう応えれば良いのか分からない
それどころか彼女の想いが本心であるのかさえ、今の要には判断がつかなかった
「私も要さんと……皆と、家族になりたい」
覗き込んでくる華の瞳が要の心を大きく揺らす
その見知らぬ動揺は苛立ちへと変わっていった
「……やめろ」
要は低い声で唸って華の手を振り解く
「俺たちはそんな温い関係じゃない……知ったような口を利くな」
そして一切を拒絶するようなその言葉を残し、談話室を出て行った−−−