この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
蜘蛛の巣
第14章 想いの渡し方
「バラのし……」
「えー! まさか本当にバラの花束にしたの!?」
「うーわー、そうだとは思ってたけど、やっぱり兄さんて頭おかしいね」
「ちっがーう。バラの栞って言おうと思ったの!」
周囲の反応から煉がどのような人間と思われているかがよく分かる
ーーー華も含めて。
「良かった、まさか本当に薔薇の花束かと思って焦りました」
「華チャンまで!?」
「煉さんならやりかねないなと」
栞に閉じ込められた薔薇の華
本物の薔薇の花弁を切って作られたものらしい
「全く、華チャンの僕に対するイメージを早急に変える必要があるね!」
「いやほとんど間違ってないだろ」
"というかあの小説じゃなくて良かった。ホント良かった"
そこにいる男たちは、斑目兄弟を除き全員が安堵のため息を吐いていた
「えと、皆さんそれぞれ何にするか知ってたんですか?」
「んーまぁ……何で?」
「何となく……そんな反応してたから」
「とは言っても」
和樹が兄の方に目をやりながら言う
「ほとんど下らない話ばっかりでなんにも分かんなかったけどね」
「集合かけたユーちゃんが全然教えてくれなかったしねー。結局何なの?」