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蜘蛛の巣
第14章 想いの渡し方
「それは……」
綾斗の問い掛けに口ごもる結利
「じゃあ華、ついてきて」
華は首を傾げつつ彼の後について廊下に出た
「……って、何でお前らまで一緒についてくるんだよ!」
「だって皆公開したんだから、ユーちゃんだけ秘密なんてズルいよ!」
「は、華への誕生日プレゼントなんだから華だけ知ってればいいだろ!」
「いやいや、ゆークンが華チャンにやらしいことしたら大変だからね」
「……煉。お前じゃないんだから、それはない」
廊下を歩きながら皆のやり取りについ笑ってしまう
先頭を行く結利を見ながら、何だろうと心躍らせていた
「あ!」
少し行ったところで突然茅斗が大きな声を上げた
「分かった! ユーちゃんピ……ムグッ!」
「だ、ま、れ」
結利が暴露しかけた茅斗の口をすんでのところで塞ぐ
恐る恐る華の方を振り向くがーーー
「……?」
"良かった、気付いてないみたいだ"
結利は華の鈍感さにほっとした
そして他のメンバーも言わないよう睨みつけておく
"ま、すぐ分かっちゃうだろうけど"
そう思っていた