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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。
朝の邸宅に、恐怖の悲鳴が響き渡った
出どころはどうやら厨房のようだ
「華ちゃん、大丈夫!?」
一番近い食堂にいた壮真が勢いよくドアを開けて飛び込んでくる
「壮真さん!」
その瞬間、華が駆けてきて壮真の腕にしがみついた
ひどく震えている
「うっ……!」
彼女と対峙していたモノを見て壮真は体を強張らせた
「ごめんなさい! いつもは自分で処理するんですけど、飛んでこられたら怖くなって……」
カサカサと動くGを前にして二人は暫く動くことが出来なかった
自分でも情けないとは思いつつも、壮真の額から汗が滲む
「だ、大丈夫。取り敢えず一旦外に出て……うわっ!」
舐められているのか
Gは臆することなく人間の方へ向かってくる
「…っ……」
壮真が意を決したよう目を閉じた時−−−
「もー、何やってるの」
茅斗が丸めた新聞紙を持って現れた
パァンッ
「ひ……」
余りに乱暴な退治の仕方に壮真の後ろに隠れる華
「…逃げたか……後で橘さんに言っておかなきゃね」
そう言って茅斗は振り向くと、呆れたようにため息をついた