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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。
"本気"って、どういう意味ですかーーー
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悶々としたまま、一日が過ぎてゆく
“ぜんっぜん授業集中出来なかった……!
今日何してたっけ?”
とりあえず機械的に板書を写したノートを眺めながら顔をしかめる
「はーなー」
「ひゃうっ!」
真里枝にうなじをつつかれて華は思わず手にしていたものを落としかけた
真里枝からの誕生日プレゼント。
彼女のと色違いのシャーペンだ
「な、何……?」
首を擦りながら振り向いてみれば、そこには真里枝の他に四人の男女が立っていた
真里枝が最近よく一緒にいるグループだが、華はほとんど話したことがない
「来月の花火大会、毎年行ってるやつさ、今年も行ける?」
「えっと…まだちょっと分かんないけど……」
「幹久たちが一緒に行きたいって」
えっ、と華は驚いて真里枝の後ろに目を向ける
三人いる男子のうち、ミキヒサと呼ばれた彼なのだろう、一人が恥ずかしそうに俯いていた
ほとんど話したこともないのに、何故私と?
どうしてそんな嬉しそうな、そして照れ臭そうな顔をする
"もしかして私に気がある、とか……?"
ないない、と思いつつも少し期待して顔がニヤついてしまう
「あのさ、白河さんて、あの五大企業の白河家なんだよね?」