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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。



その質問に華の顔から笑みが消えた



「……」



何も言わずに真里枝の方に視線を戻す

だが真里枝は彼女の鋭い視線を受けてもただ肩を竦めて受け流すだけだった



"私が名前だけで近付いてくる人嫌いだって知ってるくせに……!"



そもそも白河家と関係があることを教えたのは真里枝なのだろうか



沸々と込み上げる怒りを何とか抑え込もうとしていたところへ、更にグループの女子が興奮気味に話し掛けてきた



「白河って鶴見家と親戚なんでしょ!? あの鶴見先輩とも話したことあるの!?」

「鶴見先輩って……」



遥のことかーーー



華の顔が益々険しくなる



彼が女子の間で人気があるのはよく知っていた

才能、容姿、家柄−−−

どれを取っても一流で、確かに憧れの王子様に見えるのだろう



だがその中身は−−−





「ない。話したいとも思わないし」



華はぶっきらぼうにそう言って返した



呑気な彼らが羨ましい



“遥さんの本性を見せてやりたいよ”





「真里枝、花火大会の件保留ね。じゃ」



これ以上ここにいたら何を言ってしまうか分からない



華は急いで荷物をまとめ教室を出て行った



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