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蜘蛛の巣
第15章 分かたれて。



コンコン



「はーい!」



くぐもった返事にドアを開け中に入る

勉強机に無造作に置かれた通学鞄と、壁際のラケット

部屋の主は−−−奥の寝室か。



華がどの扉が彼に続いているのかと困惑しているところへ、何やら大きな物音(足音?)がして右手のドアが開いた



「カーヤ!」

「あ、ハナか! どうしたの?」

「なんか困ってることないかなって思ったんだけど、そんなに動いたら駄目でしょ!」

「だってなかなか入ってこないからさぁ。橘さんかと思ってたから、変だなって」

「分かったから、ほら、私の肩掴まって」



片足で飛び跳ねる茅斗を支え、ベッドへと連れていく



「体……やっぱりちょっと熱いね」

「このくらいへーきへーき!」



ベッド脇の机に置かれた配膳がすっかり空になっているところを見ると、確かに元気ではあるらしい

それでも横になった茅斗の腫れた右足首に触れれば痛そうに顔をしかめた



「橘さんに湿布持たされたから、替えるね」

「うん、ありがと」



彼の体温によってその役割を終えた湿布を剥がし、新たに冷たいものを貼ってやる

茅斗の唇から気持ちよさそうな溜め息が零れた



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