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蜘蛛の巣
第16章 軋む



「あれ、華ちゃん? 早かったね」



案の定そこにいた壮真は、入ってきた華に顔を上げ読んでいた本を閉じた



「ちょうど良かった。少し相談があったんだ」

「何…でしょう……?」



ーーー先に切り出されてしまった

それでも華はきちんと壮真の前に座り、ちゃんとその話を聞こうとする



「うん、実は今度ここの近くでお祭りがあってね。近くって言っても華ちゃんの家の方が近いから知ってるかもしれないけど」



"それってもしかして、真里枝と行こうって言ってるやつ……?"



華が何も言わないので壮真はさらに続けた



「皆で行こうかな、と思ってて」



"皆で……楽しそう"



それにこれは良いきっかけになるかもしれない



「あのっ、それっだったら私の友達も一緒に行っていいですか!?」

「えっ?」

「高校の頃からの親友で、毎年一緒に行ってるんです!」



そう思ったことでつい口調が強くなってしまった

そんな彼女に壮真は一瞬呆気に取られる



「……」



そしてしばらく顎に手を当てて難しそうな顔をしていた



"…ぁ……困らせちゃったかな……"



今さらになって少し反省する華



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