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蜘蛛の巣
第16章 軋む
「俺は別に構わないんだけど…遥が……」
「……え?」
壮真の口から溢れた名前に耳を疑う
「遥さんも…来るんですか……?」
「いや、まだ聞いたわけじゃないんだけど」
壮真は固くなった華の表情を見て申し訳なさそうにため息をついた
「ごめん、やっぱり嫌だよね……多分他の皆も、出来るならそうしたくないと思う。
でも俺はそれじゃいけないと思うんだ。遥には確かに色々と問題が多いけど、決して悪い奴じゃない。
もっとお互いのことを知って……変わっていかないと」
「……」
華は小さく唇を噛んだ
壮真は大人なんだと思う
そして自分勝手な都合を押し付けようとする自分は我が儘だ
だけど−−−
「私やっぱり、遥さんのことは……っ!?」
華が震える声でそう言い掛けた時、談話室の外から聞き覚えのある声が近付いてきた
今最も聞きたくない声が−−−