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蜘蛛の巣
第16章 軋む
「…壮真さん……私…っ……」
「気にしなくていいんだよ、華ちゃん」
「でも……っ」
"完全に拒絶された……!"
「私には…皆さんと一緒にいる資格なんてありません……!」
ずっと悩んでいた
自分の考えが甘かったのではないかと。
そして今、邪魔者と言われーーー
「……華ちゃん、とにかく座って」
壮真は震える彼女の肩を抱くと、近くのソファに連れてゆく
何やら少し携帯を弄ってから隣に座り、おもむろに話し始めた
「遥のことは、本当に気にしなくて良い……君が来たことに戸惑っているんだ。今まで自分を囲んでいた世界が変わり始めたから。
そのうちきっと慣れる……でも、華ちゃんにもそうしろとは言わないよ」
カチャ
談話室の扉が静かに開く
取り乱していた華はそんな微かな音にも体をびくりと反応させた
「大丈夫、ココアを持って来て貰っただけだよ……ほら、これ飲んで少し落ち着こう?」
壮真は使用人からカップを受け取り、そっと華の前に置く
華は小さくお辞儀をすると程好く温かいそれを一口啜った