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蜘蛛の巣
第17章 変化
結局遥は参加せず、あの日以来壮真も遠ざけられているようだった
"壮真さんといると何か見透かされそうで怖い…心配掛けたくないし、それに……"
「僕は兄さんと一緒とかごめんなんで壮真さんの車で。あ、もちろん助手席ね」
和樹は面倒臭そうに言ってさっさと車に乗り込んでしまった
「アーヤ! アーヤはボクと一緒に乗ろうね!」
茅斗はそう言って綾斗を壮真の車の方へ引っ張っている
まだ足が完治していない弟を気遣ってそれを振り払えない綾斗は、ただ黙って華の方を振り返った
これで壮真の車は四人、これ以上は定員オーバーだ
「じゃあ私は煉さんの方に……」
あからさまにガッカリしたのが見える
少し申し訳ない気もするが、向こうの車では意識し過ぎて不自然な行動をしてしまいそうと思ったこともありーーー
「ご指名頂いて恐縮です。では姫はどうぞ僕の隣に」
煉はふざけながらも華の耳元でこっそりと囁く
「二人だけでどこか別の場所、行っちゃおうか」
「…っ……」