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蜘蛛の巣
第17章 変化
「……華、その浴衣…自分で選んだのか?」
邸を出てしばらくしてから、結利がおもむろに口を開いた
「あ、ううん。皆でお祭りに行くって言ったらお母さんが送ってきてくれたの。新しく買ったからって」
「そ、か……うん…その……」
「……?」
「かわい……」
「可愛いね~、よく似合ってるよ。白地に桃色と黄色の花咲かせて……お母さんは華チャンのことをよく分かっているんだね」
いつもの軽い調子とはいえ褒められるとやっぱり嬉しい
「あ、ありがとうございます」
「……」
「あれ、ゆークンどうしたの?」
「……別に。つかオッサンが桃色とか言うとなんかキモい」
「おっさ……僕はまだ二十四だって~!」
何だか久しぶりに見るやり取りに華はクスクスと笑った
「ユウくんもすごく似合ってるよ。えと…ねずみ色に紺色の帯が……」
「華、そこは普通に灰色でいいんだ」
「ぅ……と、とにかく、いつもより男らしくて格好いいよ!」
すると結利も華と同じようにはにかんだ笑顔を浮かべる
「…あ、ありがとう……」
「いつもよりか~。いつもそんなに男らしくないかね、ゆークンは」
「あっ、そ、そう言う意味では……」
「煉、お前頼むからちょっと黙っててくれ」