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蜘蛛の巣
第19章 傀儡子
「お帰り〜。あんまり遅いから先に帰っちゃおうかと思ったよ」
車で待っていた煉、要、和樹の三人は、それまでの沈黙が容易に想像出来るほど退屈そうな顔をしていた
「じゃ、帰りましょうか」
行きと同じメンツで車に乗り込む
「華、楽しかったか?」
助手席から結利が訊いてきた
「うん!」
華もそれに素直に頷く
多少気になることはあったけれど–––
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「つっ…かれた〜……なんでみんなでお祭りなんて行かなきゃいけないんだろうね」
部屋に向かいながら和樹が大きな愚痴をこぼす
和樹と華の部屋は隣同士なので、解散しても最後まで一緒だ
「今まではなかったんですか? みんなで旅行とか」
「そりゃあ親族間の仲を深めるために行くことはあったよ? ゴールデンウィークのやつもそう。
でもみんなで一緒に遊びに行くなんてなかったし、誘っても全員参加することなんてまずなかったね」