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蜘蛛の巣
第20章 嫉妬の行先
「海、行きたいなぁ……」
談話室で唐突にそう呟いた煉に、みんなが振り向いた
「海!? いいね、行こうよ!」
綾斗は元気に返事をするが、
「えー、やだよめんどくさい。この暑いのに」
和樹は全く乗り気でない
「行きたい人だけ行けばいいよ!
ね、ハナ!」
「……え?!」
茅斗からまさか自分に振られるとは思っておらず、ぼーっと話を聞いていた華は一瞬キョトンとした
「ああ…そうだね。いってらっしゃい」
「え」
「え」
「え?」
綾斗、茅斗、華の間抜けな声が続いた
「ハナ、行かないの?」
「だって行きたい人だけでしょ。煉さんと行って来なよ」
「そんなのつまんなーい!」
「僕も男と海なんか行きたくないよー」
綾斗はともかく、煉まで抗議するのはいかがなものだろうか
「だって私……泳げないし」
「えっ、そうなの?」