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蜘蛛の巣
第1章 出逢い
「ははっ、もしかしてコース料理とか想像してた?」
「まぁそんなとこです……」
「そんな重いの毎食は食べれないよ」
"そりゃそうだよね、良かった"
この邸で初めて今までの自分に近いものに出会えた気がして華はほっとする
"でも毎食じゃないってことは時々は出てくるのか……"
しかしそのくらいは仕方ない
割り切っていこうとそのことを一旦頭から振り払い、別の話題を持ち出した
「今さらなんだけど、皆の歳っていくつなの? 煉さんが二十四で、結利くんは私と同じで、後は?」
「ボクとアーヤは十六歳だよ!」
「うん、それは知ってる」
"見えないけどね"
華は心の中だけでそっと付け足す
「順番で言ったら、壮真が二十二で要がその一つ下だな」
「ハルカさんとメーちゃんは同い年だよ」
「そうなんだ」
つまり大半は年上ということだ
「あとえっと…煉さんの弟の……」
「うん、和樹ね。和樹はオレたちの一つ上」
華は難しい顔をして口の中で反芻する
「ハナ、大丈夫ー?」
「そんな急に全員覚えようとしなくてもいいんだよ。一緒にいれば自然と覚えるから」
「う、うん」