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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ



「辛いよね……」



壮真がその頭に手を乗せ、柔らかく梳く



「ごめんね…守ってあげられなくて……」



小さく呟いた言葉は静かな談話室にはよく響く



「全然大丈夫ですよ」



相変わらず貼り付けたような笑顔でいる華の、その心の内は。



“確かにちょっと怖いけど”



その笑顔の通りだった

もう彼女自身にさえ、辛いという感情がどこにあるのか分からないでいた–––














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