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蜘蛛の巣
第21章 更なる深みへ
“違うのかな……”
伺うように、繋がりの深そうな壮真に視線を送る
壮真もそれに気付いてゆっくりと首を横に振った
「遥が何を考えてるかなんて…俺たちには分からないよ」
華と最初に出逢った時と同じ言葉を、同じ場所で口にする
それから煉の方に質問を振った
「煉兄さんは? どう思う?」
「さぁ、僕だってみんなと同じで毎回驚かされるばかりですよ」
煉は肩を竦めてそう答えた
「そう、ですか……」
この家にいる限り、考えても仕方がないのだと–––いや、考えること自体意味のないことなのだと華は再認識する
「とりあえず、ご飯にしませんか?
橘さんが準備出来ましたって」
「あの人はまた華をパシリに使って……」
「あ、ううん。もうこれからは手伝わなくていいって。
向こうに行くメリットはもう橘さんに何も言われないってことかな」
笑ってみせる華はどう見ても無理をしていて。