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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。



「海だーー!」

「アーヤ、カーヤ! あんまり遠くに行っちゃだめだよ!」



壮真は呆れたように言いながらも笑っている

隣にいる結利も子供のような眸をして、今にも走り出しそうだ



「そこの美人さん、ビールくださいな」



煉だけは外に興味などないというようにいつもの調子でのんびりしていた



「……背中、塗ってあげようか?」



はしゃぐ双子を見ながら急いで日焼け止めを塗っていた華に壮真が話しかける



「いえ…っ……あの……」



一瞬どうしようという顔を浮かべてから華はそれを手渡す



「じゃあ、お願いします」



華が貸切になった海の家のベンチにうつ伏せると、すぐに壮真の手が触れてくる



「……大丈夫?」

「はい。壮真さんの手って……あったかいんですね」

「そう?」



そんな会話をしながら塗り広げられていく液体。



「……ごめん、ちょっとズラすよ」

「はい……」


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