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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。



水着のトップスの布を持ち、もう一方の手で肩甲骨の溝をなぞる



「…っ……」



一瞬、華の身体がブルリと震えた



「あっ、ごめん」

「…いえ……」



続いて壮真は彼女の太ももに触れた



「あの……壮真さん?」

「え?」

「そこは自分で出来るので大丈夫ですよ?」



言われて、あっと慌てて手を離す壮真。

その拍子に日焼け止めが落ちて地面に少しだけ白い液体がこぼれ出る



「ごめん、ほんとごめんね!」



何重にも謝る壮真を、華はクスリと笑って覗き込んだ



「触りたかったんですか……?」



上目遣いに問われキャップを閉めようとしていた壮真の手が止まる

驚いて何も言えないでいると、今度こそ華は吐き出すように笑った



「冗談ですよ!」



ウィンクでもかましそうな表情でそう言うと、



「背中、ありがとうございました!」



そのままビーチバレーをしている綾斗たちの元へと走って行ってしまった


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