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蜘蛛の巣
第23章 淡々と、眈々と。



「さぁ……なんだろうな」



いつもされるように煉をはぐらかしてみる



「聞いてどうする」

「どうしましょう?」



ダンッ



無言のままソファを蹴りつける音が響く

くだらんやり取りだ



「僕はただ、遥サンが何を考えてらっしゃるのか分かればお力になれるんじゃないかと思って」

「お力? お邪魔の間違いだろう」



コイツにとっては早霧も、そして自身の家である斑目さえもどうでも良いことを俺は知っている



「お前の馬鹿げた反抗心に興味はないし、その反抗心のための無意味な賭けを妨害するつもりもない。

俺はあの女がお前みたいな愚図にならないよう教えてやってるだけだ。丁寧にな」

「それはお優しいことで」



煉は微笑を浮かべたが、もちろん心からのものではない

彼の心の中にあるのはただ一つ





どうやってこの男から華を奪ってやろうか





その狙いひとつ–––


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