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蜘蛛の巣
第24章 水面下
そうだろうな、と皮肉る間さえ与えない
「代々早霧に仕える家系で、祖父や父から言われてきました。早霧の全てを守れと。
金、土地、そして伝統……全てね。だから私は貴方に興味がある」
要は微笑みながら紡がれる言葉が気持ち悪くて目を眇めた
「貴方は……京堂は早霧の歪みだ。そして歪みは早霧にずっとついて回ってきた。これからもずっと」
「……やめろ…」
「受け入れられては困るんです。歪みは歪みとして、早霧の闇として皆様を蝕んでいなければ。
貴方が今何かに抗おうとしているなら、それが歪みになるなら良いんです。でもそうでないなら–––この歪みが消えてしまうのなら、その前に私が京堂を消しましょう」
ここで呉羽は口を噤み、話の終わりを告げた
「それは……脅しか? 京堂を人質にするつもりか?」
「まさか! 京堂に歪み以外の存在価値はない。私は貴方を早霧の一員としては認めない」
「…っ……」